事業主は、要介護状態にある対象家族を介護する従業員について、就業しつつ対象家族の介護を行うことを容易にする措置として、対象家族1人につき、所定労働時間の短縮等の措置を講じなければなりません。
※要介護状態とは、負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態(障害児・者や医療的ケア児・者を介護・支援する場合を含みます。ただし、乳幼児の通常の成育過程において日常生活上必要な便宜を供与する必要がある場合は含まれません。)を言います。詳しくはこちらをご覧ください。
★要介護状態にある配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)・父母・子・配偶者の父母、祖父母・兄弟姉妹・孫を介護する従業員です。
所定労働時間の短縮等の措置とは、以下のことを言います。
事業主は、従業員が就業しつつ要介護状態にある対象家族を介護することを容易にする措置として、以下のいずれかを講じなければなりません。
これらの制度は、対象家族1人につき、利用開始が3年以上の間で2回以上(従業員が利用する介護サービスの費用助成その他これに準ずる制度については回数制限なし)利用することができるようにする必要があります。
★事業主は所定労働時間の短縮等の措置を講じなくてはなりませんが、措置を講じているとは、短時間勤務制度が就業規則等に規定される等、制度化された状態になっていることをさします。運用で行われているだけでは法を満たしたことにはなりません。
★手続は会社の定めによりますが、従業員が就労しつつ家族を介護することを実質的に容易にする内容のものとするとともに、適用を受けようとする従業員にとって、過重な負担を求めることにならないように配慮しつつ、他の制度も参考としながら、適切に定めることが求められます。
★所定労働時間の短縮等の措置の申出・利用により解雇等を行うことや勤務しなかった時間数を超えて賃金を減額したり、賞与・昇給等で不利益な算定を行う等の、不利益な取扱いは禁止されています。(Q28参照。)